smoke

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 それが小学校4年生の記憶で、そのまま彼とはなんの進展もないまま時間だけが過ぎて、 高校を卒業した8年後の春休みに私は偶然にも自動車免許の取得の為訪れた学校の裏手で彼と再会した。  その日は低い雲が垂れ込めて視界が茶色く煙(けぶ)り、しとしとと雨の降り続く空模様だった。  1コマ目の座学を終えて、伸びをしようと学校裏手のドアを開けた私は思いがけずその彼の姿を見ることとなった。  遠くからでも分かる。初恋の相手のシルエット。  シンプルなティーシャツに、パンツをはいて、ちょっとお洒落なベルトをしていて・・・。  きゅっと胸が痛くなった。  けれど、同時に彼が手に持っている物も視界に入る。  彼は無表情のまま白く細長い棒の先に明りを点して白い煙を吐き出しては、隣のちょっと背の高い吸殻入れにトントンとその先端を打ち付けていた。  煙草……私の嫌いな、煙草――
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