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壁と同じ色の布が貼ってあったので気付かなかったけど、壁に猫が通り抜けできる小さな穴が開けられていたんだ。
いったい誰がこの穴を開けたんだろう?(;゚д゚)
多分おじいちゃんが開けたんだよね。
だってそれ以外に考えられないもの。
でも、どうして?
(^_^;)
僕は腹ばいになると、布切れを捲って穴の向こう側を覗いた。う~ん、よく見えないな。今度は横向きになって覗いたけどダメだった。
穴が小さ過ぎるから上の方が見えない。僕は諦めてリビングに戻ることにした。
おじいちゃんの部屋の前を通ると、
「……この印籠が目に入らぬか。ここにおわすは天下の副将軍……」
テレビの声が微かに聞こえてきた。
これはこの前おじいちゃんと一緒に見ていた…ええと何て言ったかな。そうだ『水戸黄門』って言うドラマの中のセリフだ。ちょっと変わったセリフだったから覚えてる。
リビングに戻ってからも僕はさっきのことが頭から離れない。
「宇宙(そら)、どうしたんだ。神妙な顔をして……」
流星兄ちゃんが声をかけてきた。
「……ううん、何でも無い」
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