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「そうか~、悩み事とかあるなら相談にのるぞ」
「うん、有難う」
僕は一応お礼を言っておいた。
「そう言えば、さっき助さんが消えたって花音が言ってたな」
「うん、ほんとに消えたんだよ。
ねえ、お兄ちゃん」
花音が同意を求めるように僕を見た。
「何処かに隠れていたんじゃないのか?」
流星兄ちゃんが呆れたように言った。僕は助さんが何故いなくなったのか分かっていたけど、そのことは言わなかった。
「助さんは魔法が使えるのかもね」
おばあちゃんがニコニコしながら言った。
多分おばあちゃんはおじいちゃんの部屋の掃除もしているから壁の穴のことを知っているんだなと僕は思った。
それにしてもおじいちゃんは…猫が嫌いなのに、どうしてわざわざ猫穴を開けたりしたんだろう?
しょっちゅう猫が部屋にはいってきちゃうのに…。
「あっ、助さん!」
助さんが花音の膝から降りてリビングのドアの方に行った。
リビングのドアには猫用の出入り口があるが、これは大工さんに作ってもらったもので、猫が通り抜け出来るように小さなドアが付いている。
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