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プロローグ。
彼の名前は滝沢 良太。美容師だ。
毎日のように人のリクエストを伺って喜びを与える仕事に誇りをもっている。
今日も仕事を終え従業員に「お疲れぇ」と挨拶を交わしいつもより早く店を出た。
時間は7時。
今日は後半、客足が減りスムーズに片付けも終わったので早かったのだ。
それに加え後輩のレッスンも今日はなく明日は休日である。
帰りにコンビニに寄り弁当とお茶を購入後、直ぐに家に帰宅。
1人暮らしの為、相変わらず家は真っ暗だ。
部屋の七畳ほどで1DKと、1人暮らしには上等な広さだ。
リビングの電気を点灯させると迷わずパソコンのスイッチを入れる。
立ち上がるまでに急ぎ服を着替えてデスクに座る。
「さぁ、今日は寝ずにゲームするぜ!我が力を思い知らせてくれる!ははははは!」
彼は普段明るく真面目だ。
だが隠しもった自分を持っている。
この暗く狭い空間の中、そしてこのゲームの世界こそが自分が自分でいられる空間。
そう。良太は厨二病である。
「俺の魔眼よ今再び漆黒の翼と共に我に力を指し示せ!!開!眼!!!」
パソコンのスイッチを押した。
〇〇〇〇。
「はっ!」
不意に意識をとりもどす。
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