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ダメ女とは
ダメ女とは、――――つまりこんな女じゃないだろうか。
部屋がいつも散らかっている。
料理が出来ない。そう卵すらまともに割れない程に。
化粧をなるべくしたがらない。
服装にはあまりこだわらない。穴あき、毛玉だらけはいつもの事。
そして一番ダメな所はたぶんきっと。
「うわっ、また部屋汚くなったんちゃう?」
彼氏でもない男に頼るところ。
足の踏み場もないあたしの部屋にギシリギシリ、床を軋ませながらも足を踏み入れた男が眉間にシワを寄せ顔をしかめた。
端正な顔立ちに明るい髪色。呆れたように長くため息を吐きだしたこの人は彼氏でもなんでも無くて、かと言って親しい友達かと聞かれてもそういうわけでも無い。
元々はただアパートの隣の住人だっただけ、それも第一印象最悪の。
それがある事件をきっかけに今はこうやって暇さえあればあたしの部屋の掃除をして、たまに美味しいご飯を作ってくれて、それを一緒に食べるーーーそんな関係になっている。
「これは?洗濯したん?絶対してないね。」
「うん、してない」
まだ眠い目をこすりながらも部屋を見渡してみる。
この男、翔(しょう)が汚いと言った部屋を確認してみたけど、あたしは別にそうは思わなかった。
むしろ先週より少し綺麗になっているような。
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