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私には妻と七歳になる息子がいる。──否、いた。と言えばいいのか。あいつは、ある日突然に私から全てを奪っていった。
私は裁縫屋を営んでいた。おかしな言い方かもしれないが、衣服だけでなく布や革などで小物を作っていたため、自らの店を仕立て屋ではなく裁縫屋としていた。
オーダーメイドだけでは大きな収入を得るほどにはなく、一定のサイズのシャツや女性向けの小物で生計を立てていた。
とりわけ、お守り代わりとして反物で作ったストラップは二枚貝の形に小さな鈴をつけて販売すると、女子高生の間で可愛いと評判になった。
どうやら「幸運のストラップ」として口コミで広まったらしく、それを求めて女性が大勢訪れるようになった。
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