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「髪の毛良し、制服良し、メイク良し!」
(変じゃないよね、大丈夫だよね…よし)
しっかりと身だしなみを整えて階下へと降りると母と匠くんが仲良く談笑していた。
そんな光景も飽きるほど見て来たけれど、好きな人が家族と仲良くしているのはやはり嬉しいもので。
自然と笑みが溢れてしまう。
「あなた早く朝食食べないと遅刻するわよ。もうごめんね、匠くんが居ないと何も出来ない子で」
「全然大丈夫ですよ、むしろ任せてください」
本当にお兄さんみたいで頼りになる。
彼の何気ない一言に一喜一憂されてしまうのはいつもの事。
誰に何を言われても彼からの言葉が一番私の心に響く。
「もうお母さんやめてよ、行ってきます」
「はいはい行ってらっしゃい、気を付けてね」
悪戯に微笑み私たちを見送る。
匠くんは優しくてほわほわした性格故に近所の人達からも気に入られていて、幼い頃からずっと一緒にいる私たちは茶化される事が多い。
私としてはほんの少し嬉しい気持ちがあるけれど、一応否定はしておく。
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