怖いかもしれない話

バス

私の職場は少し辺鄙なところにあり、通勤にはバスを使う。
最寄りの駅まで30分弱。
出発地から終着地までバスに揺られて行き来する。
辺鄙といっても会社周辺はそれなりに栄えていて住宅地も他の会社もそれなりにある。

その日はちょっとしたトラブルがあり、いつもより帰宅時間が遅れてしまった。
バス停には人もおらず、出発まであと数分、バスに乗って待つことにした。
定位置の一番後ろの右側の席に座り、スマホを取り出し暇つぶしのゲームアプリを開いた時だった。

ふっと風を感じて前を向くといつの間に座ったのか、2つ前の席に艶の良い綺麗な長い髪をした制服を着た若い女の子が座っていた。

近くに学校もあるので部活でもしていたのかな、とあまり気にせず、スマホに視線を戻してゲームを始めると同時にバスが出発した。