バス

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駅に到着し、女の子がすぐに席をたった。 私も降りるべくスマホを鞄にしまい、席を立とうとした時。 「ぎゃあああ!!」 この世の終わりを叫ぶような断末魔。 反射的にみあげたのを後悔する。 赤く染まる前面ガラス。 それが血だと理解する事を脳が受け付けない。 運転席の横には先ほどの女子高生。 「やめっ!ぐえ」 声にならない叫び声を上げている衝立の向こうの運転手。 女の子は機械のように刃物を何度も振り下ろす。 俯き気味のせいで長い髪の毛で表情は見えない。 綺麗な髪が鮮血でさらに艶をましていく。 そして明らかに事切れているであろう彼に満足したのか不意にこちらに顔を向けた。 「っ!」 微笑をたたえた彼女の顔はこの世のモノとは思えないくらい美しかった。 次に鮮やかな赤い飛沫をあげたのは彼女の首。 運転手をただの塊にしたその凶器を自分の首にあてて真っ直ぐ横にひいた。 真っ赤に染まる車内と広がる血溜まり。 すっかり腰の抜けた私はかけつけた警察に引っ張り出されるまでその場から動けなかった。
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