怖いかもしれない話

スマホ

けど、それから数日後。ぶつぶつ独り言を言うようになった。
声が小さすぎて、何を言っているかわからないけど、とにかく何かつぶやいてる。
そして徐々にオレ達と遊ばなくなってきた。
どんなに誘っても、ちょっと用があるから、とか、調子が悪いとか、とうとう学校にもこなくなり、連絡もつかず音信普通になってしまった。

「なあ、最近アイツと会ってる？」
「いや、会ってないどころか、連絡返ってこないし。」
「オレも講義のプリント持って様子見に行ったけど、いつ行ってもいないんだよ。」
「オレ、実はこの前…。」

ソイツが言うには、友人は、全身新作の洋服を着て、スマホ片手に歩いていたらしい。
声を掛けようとして肩を叩いたら、静電気のような刺激が走り、手を引っ込めたと。

「そしたらアイツ、スマホに『次は何をしましょう』ってイカレタ顔して聞いてたんだよ。」
「なんだよそれ。冗談じゃねーの？」
「冗談じゃねーんだよ！しかもアイツの質問に答えるように、真っ黒な画面に赤い文字が浮かんだんだよ！
『次に行け』って！」

「お前らネットニュース見てみろよ！」

他の講義にでていた友人が慌ててやってきた。

「アイツ、人殺したって！」

慌ててニュースを見てみると、

大学生が凶行！
〇〇区在住の大学生、新作のブレスレット欲しさに通行人の腕を切り落とす。
切り落とされた男性は死亡が確認された。

「は？なんだよこれ！」