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扉にお気を付けください
「ねね、ウチグループって結構当たりじゃない?」
ユッコが目を輝かせて言う。菜々美達のいる教室の中は騒がしい。オリエンテーションの次のコマが自習になったのが原因だ。先生の急なお休みと言うレアな状況に(失礼ながら)生徒たちは歓声を上げた。自習とは言ってもプリントは配られているので、生徒たちは仲良しグループで集まってお喋りの合間にそれをしている。
「だねー。団長矢田先輩だしアトラク長は美人で有名な西先輩だし。」
「グループ長の石田先輩も格好良いよね。」
亜紀ちゃんに続いてノリも弾む様に言う。
「え、石田先輩、人気なの?」
亜紀ちゃんが心底驚いた風に言う。石田先輩は菜々美達の部活の部長さんなのだ。
「人気だよ!イケメンって皆言うよ!」
ユッコがノリに加勢する。
「えー、何か見慣れてるからか別に……って感じなんだよねえ。」
亜紀ちゃんのしみじみとした言い方に、他の3人は笑う。
「まー、所詮高嶺の花だけどね。私、体育祭頑張るよ。佐野君!」
ノリちゃんが急に声を潜めて言う。亜紀ちゃんとユッコも思い思いに男子の名前を囁く。
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