第三章4節

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 そんなことになったらプレッシャーをかけた単なる興味本位で頭を突っ込んだ奴らは、「ほら見ろ、いわんこっちゃない」ってまた強気の態度に出て、オXムはまた不服感を募らせる。永久にその悪循環の繰り返しだ。  やめさせなきゃならない。  そのためには、僕がまず自分がやったことを白状する。そして、それにオXム真理教は関係ないんだっていえばいい。  そうだ。そうするしかない。  僕とstrangerとでデマ流しをしたチャット上で、自分のしでかしたことを告白して詫びを入れるんだ。  近く警察がオXムに二度目の強制捜査に踏み切るとの噂も出てきた。その前になんとかしなくては……  夜、僕はパソコンの前に座る。  そして、再三に渡って繋げたNIFTY SERVEのリアルタイム会議室へ久し振りに接続する。  間違いは正さなければならない。  そんな切羽詰った状況でもモニター向かった僕だったが、そこに書き込まれた文字を見て、あんまりにも意外にで拍子抜けしてしまった。  そこでは僕の出るまでもなく、その怪電波を流していた人物はオXム信者達ではないのではないかと、疑われ始めていたのである。  >エッ、なんでお前そんなこと思うの?  >だってさあ、あんまりにも意味がないじゃないか。そんな電波を流すこと自体にさ。こんなに糾弾されてさ。  そう、それが真実である。  『怪電波を流したのはオXムじゃない』     
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