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第0章 悪魔の願い事
ぼくはあるひ、こんなゆめをみた。
ゆうがた、ぼくはいえにかえりたくなくって、ひとりさびしくすなはまをあるいていると、なみうちぎわになにかひかるものをみつけた。ぼくはなにかとちかづいてひろってみると、それはジャムかなんかがはいってそうなビンであった。だけどよくみるとおかしい。なかにはやじるしのついたしっぽをもったちいさなにんげんみたいなのがいるのだ。ぼくはおそるおそるコルクのせんをつかむと、しほうはっぽうからそのへんなやつのことをようくかんさつした。
…そうだ。えほんかなんかでみたことがある。たぶん、こいつはあくまにちがいない。 そう、こいつは……
そのときである。ぼくがせんのぶぶんだけもっていたからだろうか、かってにビンはそのビンじしんのおもさでポトンとおちてしまった。ぼくはてのなかにのこったビンのふたをゆっくりとみると、あわててびんをひろおうとあしもとにむかってかがみこむ。しかし、ゆびがそれにふれたとたん、びんのなかからもくもくとけむりがでてきたので、ぼくはびっくりしてうしろにひっくりかえってしまった。
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