第五章3節

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 負け続けてきた人間が藤代の考えたアイデアに興味を持つわけだろ?  だけど僕はそんな藤代のアイデアを懸命に否定しようと、今こうして頭を捻らせているわけじゃないか。  ……何故だろう?  僕が当事者であるから? 奴の思惑に加担した責任として?  …いや違う!!  先生がいるからだ!!  先生の存在が今にも崩れそうだった僕の心を支えてくれたから。僕の中に人を思う気持ちが胸に強く宿っているからだ!!  僕は藤代の顔の方に再び視線を合わした。  「……できる。できるぞ!!」
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