出会い

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そうそう、二人でお弁当食べたよね。 私の具材は、卵焼きにタコさんウインナーに、ミニトマトとブロッコリーっていう定番で代り映えしないメニューだったのに。 それでもあなたは、羨ましそうに笑っていたよね。 手には、豪華なグラタンとかミニオムライスとか海鮮が輝いていたのに。 「 いいなぁ!俺、香織の弁当が食いてーわ 」 なんて、笑ってくれたね。 嬉しかった。 だから私も… 「 いーでしょぉ♪ 」 なんて笑い返したくなったんだ。 ふざけて「 じゃ、あげる代わりに、交換しよーよ 」って、言っちゃったね。嫌がるかもって思ったのに、嬉しそうにしていた。 「 マジかっ!ありがとう 」 美味しい、美味しいって笑いながら食べてくれて、ありがとう。 私の作った手抜き弁当食べてくれるんなら、もうちょっと頑張ったのにね。 「 香織って、将来良い奥さんになるな!そんで、俺が奪い取るから!! 」 なにそれ~って噴き出してたけど、涙が出そうになった。嬉しくて、堪らなかったから。あなたの奥さんになれるなら、奪い取られてあげるよ。 あなたと食べた時間は、もう取り戻せないんだよね。 二人で食べたお弁当、美味しくて嬉しかったのに。
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