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「それで、卒業式の日にでも告白しようと思っているのです。でも、何て言えばいいかわからないのです!」
響なら何て言われるのが嬉しい、と律は訊ねた。しかし、律の好きな相手は響なのだ。相思相愛というやつだ。
(くふふ。響本人に直接聞いてしまうのが一番良いに決まってる)
律は、その考えに行きついた自分は我ながら天才だとも思っていた。少しおバカな女子だった。
響は大きくため息を吐く。
「そうだなあ。その人のことはどれくらい前から好きなんだ?」
「そりゃあもう、ず~っと前から」
「そっか」
(そんな前から。俺は気づかなかったのか)
色恋沙汰は得意ではないと思っていたが、そこまで疎かったのかと響は自分が少し嫌になった。
「じゃあ、【ずっと前から好きでした。付き合ってください】で良いんじゃないか?」
「普通だね」
「そういうもんだろ。後は言い方で頑張りなさい」
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