◆8◆ 2人の夢

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    いつも遠目で見ている物腰柔らかなイメージとは、打って変わって瞳が笑っていないのが全てを物語っていた。 「判っているよ。私の担当は、鈴村くんだからね。でも、仕事ではなくてプライベートな話しがあってね。」 「お話しをお訊かせ下さい。」 「ああ、そうだね。単刀直入に訊こう。」 「はい。」  目の色が変わった。 「うちの息子とは、どう言う関係かな?」 「〝息子〟・・・?」  突然の問いに驚く。 「ああ、訊かせてほしいと思ってね。息子と随分と仲が良さそうだからね。」 「あの、先程から言われている〝息子〟って・・・」 「あれ?あの子は、もしかして〝千明〟と名乗っていないのかな?」 「千明と訊けばすぐに判ります。しかし私の周りには、居ないのです。」 「そうか・・・。ならば〝村雨〟と言う二十歳そこそこの若者は、居るかね?」   
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