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いつも遠目で見ている物腰柔らかなイメージとは、打って変わって瞳が笑っていないのが全てを物語っていた。
「判っているよ。私の担当は、鈴村くんだからね。でも、仕事ではなくてプライベートな話しがあってね。」
「お話しをお訊かせ下さい。」
「ああ、そうだね。単刀直入に訊こう。」
「はい。」
目の色が変わった。
「うちの息子とは、どう言う関係かな?」
「〝息子〟・・・?」
突然の問いに驚く。
「ああ、訊かせてほしいと思ってね。息子と随分と仲が良さそうだからね。」
「あの、先程から言われている〝息子〟って・・・」
「あれ?あの子は、もしかして〝千明〟と名乗っていないのかな?」
「千明と訊けばすぐに判ります。しかし私の周りには、居ないのです。」
「そうか・・・。ならば〝村雨〟と言う二十歳そこそこの若者は、居るかね?」
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