◆8◆ 2人の夢

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◆8◆ 2人の夢

    あの日々が私をいまも放さない。  明るい笑顔に屈託のない彼の夢。そんな生活が私を変えていった。  《 《 「おはよう。」  声を掛けられて目覚める。この1週間、自分で目覚められたためしがない。  全く、若い彼氏を持つ大変な本当の理由がようやく判った気がした。 「おはよう、燵夜くん。」 「ごはん、作るね。」 「あぁ、要らないわ・・・」 「今日から仕事でしょう?ちゃんと、食べないと・・・」  心配しながら気を配って抱き起こす。 「ほら、ゆっくり起きて。」 「なんで〝起きれないのか〟、判ってる?」  悪戯っぽく問い掛けた。 「ごめん・・・でも、若いから許して。」 「っ、もう・・・」  軽い触れるだけのキスを受け入れる。本気で怒ってなどいなかった。この他愛ない会話の時間だって満たされる。 「支度するから、食事をお願い。」   
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