◆8◆ 2人の夢

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    渇望の中で自分を犠牲にしない付き合いをしてこなかった。でも、彼は・・・違った。  彼の夢の為・・・まぁ、私の心のリハビリの為でもあるけれど夢を見て歩き始めた。  今度は、自分からも与える愛を目指そうと思った。  《 《  コンクールを目指して2人の生活が始まった。家事も細かく分担制にして彼が絵を描ける時間を確保した。 「燵夜くん。」 「おはよう。」 「徹夜したのね。私出かけるけれど1人で大丈夫?」  ようやくアトリエにしている部屋から出て来た彼に返す。 「うん、大丈夫。」 「判ったわ。朝ご飯出来てるからちゃんと食べてね。それと・・・たまには、休憩してね。」  口付けをする。 「行ってらっしゃい。」 「行っています。」  彼を残して部屋を出る。  マンションを少し歩くと駅だ。ラッシュを避けているから今日も悠々と会社に着いた。   
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