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渇望の中で自分を犠牲にしない付き合いをしてこなかった。でも、彼は・・・違った。
彼の夢の為・・・まぁ、私の心のリハビリの為でもあるけれど夢を見て歩き始めた。
今度は、自分からも与える愛を目指そうと思った。
《 《
コンクールを目指して2人の生活が始まった。家事も細かく分担制にして彼が絵を描ける時間を確保した。
「燵夜くん。」
「おはよう。」
「徹夜したのね。私出かけるけれど1人で大丈夫?」
ようやくアトリエにしている部屋から出て来た彼に返す。
「うん、大丈夫。」
「判ったわ。朝ご飯出来てるからちゃんと食べてね。それと・・・たまには、休憩してね。」
口付けをする。
「行ってらっしゃい。」
「行っています。」
彼を残して部屋を出る。
マンションを少し歩くと駅だ。ラッシュを避けているから今日も悠々と会社に着いた。
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