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「まぁ、それもあるが・・・君に説得を頼んだ方が得策だと思ってね。」
「〝説得〟ですか?」
「馬鹿な夢など追いかけずに早く経済学部で主席にでもなれと言ってくれないか。」
「それは・・・難しいかと。」
ワンマンであると有名なだけはある威圧感だった。
「どうしてだね?」
「コンクール出すために毎日頑張っていますよ。」
「じゃあ、コンクールが終われば話してくれるかい?」
「嫌です。」
話しが全く通じない。
「月依さん・・・」
「っ・・・」
彼と同じ低くて甘い声。
「君は、賢明な判断が出来る女性だと思っているよ、だから大企業の跡取りの意味は、理解しているだろう?」
「彼にも彼の人生があります。」
「そうだが、会社には、跡取りが必要なんだ。絵画なら会社に居ても描けるだろう?」
「〝画家〟が彼の夢なんですよ。」
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