◆8◆ 2人の夢

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    〝子どもに感心がない〟というのが嫌と言うほどに理解できた。 「君には、ガッカリだな。〝夢〟なんてものに振り回されなかったからいまの地位を君は、手に入れたのだろう?そんな君が夢を語るのかい?」 「っ、コンクールが終わるまでは・・・そっとしておいて頂けますか?」  痛いところを突かれてしまった。 「コンクールが終わったらうちに返してくれるんだね?」 「考慮致します。」 「いい答えだ。」 「っ・・・」  急に笑顔を向けられ隣に座れてしまい身構える。 「息子さえ帰るようにしてくれたら君とのことは、妨害しないからね。」 「判りました。」  今朝の倖せな微睡(マドロ)みなどどこかへ行ってしまった。 「じゃあ、頼むよ。」 「はい・・・」  返事をするがのどがつかえる。 「では、帰るよ。」 「お送りします。」   
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