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「そりゃあ。気は、使うけど・・・帰る場所のない子に〝出てけ〟なんて言わないわよ。そんな子に〝帰りなさい〟って言ってたってことでしょ?はぁ、最悪・・・」
猛烈に自分の注意力の欠如と大人としての間違った対応に幻滅のもとため息しか出ない。
「あっ、あの!月依さんの所為じゃないから!自分の部屋くらいまた探せるから。」
申し訳なくなって手を握って説得してみた。
「ダメ!」
「えっ??」
「ここに居なさい。」
手を反射的に握り返す。
「でも・・・」
「いいから。
部屋が狭くて悪いけど、居て大丈夫だから。」
アルバイトの苦学生に面倒を見させてきたのにこの上新たに賃貸を借りさせるなんてマネは、大人として出来なかった。
借りるにも一定の資金調達が要るし、苦学生に借金などさせる訳にはいかない。
用がすんだら〝はい、さようなら〟なんてとても出来ない。
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