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「月依さん･･･？」
押し黙り俯いてしまった彼女を覗き込む。
「月依さんっ！」
涙が零れたのが見える。自分が放った一言で泣かせてのだと気が付いて困ってしまう。
「こっち、見ないで。」
腕から逃れよとは、思わなかったが顔をもっと下に向ける。
人前で泣くなんて出来なかった。頑張ってきた自分が妹に〝負けた〟なんて思われたくなかった。哀れみを向けられたくもなかった。
だから毅然として仕事をこなし彼にもいち同僚の立場を崩さず接してきた。
泣かずにここまで、来たのに･･･
「月依さん、ごめんね。俺が余計なこと言ったから･･･」
「こっち、見ないで･･･」
「ごめんね、本当にごめん！」
戸惑ってしまう。
「（あぁ、早く泣き止まないと･･･。困らせてる。）」
しかし押し殺していた感情がなかなか治まってくれない。
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