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フと顔を上げてベランダを見るとこれ見よがしに雪が降っていた。
「雪だね。」
視線の先に気が付いたのか青年がそう呟いた。
「雪は・・・・・・嫌いよ。」
「え?」
「嫌いなの。」
雪の日は、いいことがない。
現に年下の子に抱き締められて泣いて困らせている。
「カーテン、閉めようか。」
「ふふ、本当にいい子ね。」
素直な反応を見せてくれる青年が眩しい。
「月依さん・・・」
腕に力がこもる。
「燵夜くんが悪いんじゃなからね。」
責任を感じてくれどう慰めようか困り果てている青年に優しく告げる。
「どうしたらいいんだろう・・ごめんね。俺、女の人に泣かれたらどうするのかが判らなくて。」
「大丈夫よ。こっちを見なければいいの。」
「は、い・・・」
「っ・・・
(素直・・・・・・)」
沈黙の中、青年の腕の中の心地よさが染み入る。
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