◇7◇ 傾くシーソー

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   「(どうしよう・・・もう要らないって思っていたのに。)」  温もりが自分を癒やしているのがよく判る。 「クリスマスイブに・・・結婚するハズだたの。」  なぜか青年に語りたくなった。自分の気持ちに驚いている。 「私の誕生日。祝ってもらった記憶のない私の誕生日。初めていい思い出になるハズだった。」  何度思い返しても涙しか出ない。青年は、黙って訊いてくれている。 「でも、結婚を1週間に控えた雪の日に婚約破棄された。1週間よ。  全く、馬鹿にしているでしょう。しかもその理由を彼が言って耳を疑ったわ。〝私の妹と浮気して子どもを孕ませた〟って・・・信じられない。  3年も付き合って1週間後に結婚式の本番だったのに・・・私の妹とだなんて・・・・・・っ。」  言葉が上手く出来ない。息も苦しい。  この感情に名前を付けられない。 「もういい!もう、判ったから・・・」   
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