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物心ついたときから、周りはみんな敵だった。
赤ん坊のとき路地裏に捨てられていた僕は、気まぐれで水商売をしていた女に拾われ、育てられた。
だがそのうちその女も“母親ごっこ”に飽きたのか、僕が7歳ぐらいのとき捨てた。
そのあとは生き抜く為ならなんでもやった。
盗みもやったし、刃傷沙汰も起こした。
子供の頃、初めて自分が盗ってきたものを、その頃つるんでいた大人に自慢したら、盗ったものを奪われたことは忘れない。
その頃、この路地裏では誰も信じてはいけないという事を悟ったっけ?
15歳になる頃には自分の縄張りをつくり、そこに入ってきた奴は容赦なく締め上げた。
どうやら僕は生まれつきの運動神経が良かったらしく、喧嘩ではほとんど負けることが無かった。
まぁ負けが少ないっていう事だけで、実際には死にかけることも多かったけど。
そしてそのうち、僕は『死神』と呼ばれるようになった。
不本意な名だ。どうやらこの白髪と、いつも着てる黒のパーカーからきているらしい。
まぁ今のところ自分の名はないから、名を聞かれたときは死神を名乗っている。
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