僕のはなし。

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まぁそれでも 「これでやっとあの子を救える。」 そう思ってわくわくしてお金を握って元の路地裏に戻っていった。 路地裏には相変わらず、汚れたおっさんとか、殴られて痣だらけの子供とかがいた。 でも、あの子はいなかった。 いつもなら 「兄ちゃん!…おかえり!」 って、少し弱々しいけど元気な声で言ってくれるのに その声が無かった。まるであの子など元々いなかったかのように、周りの子たちはいつも通り。 愕然としていた俺に 「そこにいた奴、昨日連れて行かれてたぞ。」 俺よりすこし歳上の、取り巻きを引き連れていつも歩いている男がにやにや笑って話し始めた。 「まぁ、運が良ければ養子としてもらってもらえるだろ。 …駄目だったときはお前が想像している通りだ。」 そういって取り巻きと爆笑する男。 僕の事をみている。 うるさい…うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい 「「うるさい!!!」」 しまった…と思ったときは遅かった。 怒った取り巻きが男の合図で僕に殴りかかってくる。 体格的にも人数的にも、アイツらが有利だ。 それはアイツらもわかっているのだろう。余裕の笑みが浮かんでいる。 ふつうにやりやったら死ぬけど …まぁ良いか。もう、1人だから。このまま死んでも。 そんなことを思いながら襲ってくる取り巻きを投げ倒して、蹴って、殴っていたら いつのまにか立っている奴は僕と男だけになった。
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