キャンプ

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キャンプ

子供が小さいころは、家族でキャンプに行くのが好きだった。 自然の中でのんびりと過ごし、いつもは見られない景色に癒される。 そう、うちの主人と子供にとっては楽園。 でも、 私にとっては家事の延長? もちろんキャンプ場までは車の運転が上手な主人にハンドルはお任せしますが。 到着して荷物を下ろすと、主人と子供は一緒に広々とした自然の中へダッシュしていく。 「テントはどうするの?食事の用意は~?」と叫んでも聞こえない。 取り残された私は、道具の設置。 まずテントから… 昔からプラモデルとかとにかく組み立てることが得意だった私なので、 一人でテントを組み立てる。 簡単なものなのでこのくらいなら説明書なしで組み立てられるのだ。 外野から、 「おい、あれみてみろ。すげぇ、一人で組み立ててるぞ。」とよそのお父さん達から聞こえてくる。 そんな言葉は私をすり抜けていき、テントを組み立て終えた私は昼食の焼きそばの用意をする。 『フン!このくらい誰でもできる。お宅の奥さんたちは面倒くさいから ”わぁこんなのできなぁい。あなたお願い~”なんていつも言われているから、女はできないって思っているでしょ。残念でした、できる女もいます。』 なんて思いながら、フライパンをカセットコンロに少々荒く置く。
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