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Chapter4 月光
離れなきゃ、離れなきゃ。
逃げたいのに、金縛にあったように立ち尽くして動けない。
耳に膜が張っている。
まるで水の中にいるみたいだ。
お婆さんの声が遠くの水面に揺れ、歪みながら水の底にいる私の耳に入ってくる。
「ここは隔離された街だ。
いつからか、ここにいるものは外の世界に出られなくなった。
気の狂う者もいた。
自暴自棄になり暴れ出す者もいた。
狭い世界で婚姻を繰り返し結ぶことは短命と奇形を産んだ。
気の遠くなるような時を経て、我らは呪術を学んだ。
年に一度、外の世界から、寂しく孤独な魂を持つ若者を呼び寄せる方法を見つけ、誰もが幸せになる方法も見つけた。
今、街のものは皆、常に幸せだ。
不安になることも悲しさを感じることも、永遠にない。」
「おまえも仲間になれば、いつでも笑顔でいられる。
誰かに落胆することも、怒りや不安も全て感じなくなる。」
やっとの思いで声を絞り出す。
「そんなの、本当の幸せじゃない。」
「自分の感情を封じ込めて、全く気持ちが伴わない笑顔を人に向け続けてきたおまえと何が違うんだい?」
「違う!」
大声を出した瞬間、金縛りが解けた。
街の中心部に背を向け、めちゃくちゃに走り出す。
「どうせ同じだよ。
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