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「来てくれたんだ……」
「ごめんな……」
「……どうだった?俺の絵」
「間違いなくプロの技量だよ……」
間が空く。私の背には緊張の糸が走る。
「どうして来たの?」
「どうしてって……」
言葉に詰まる。
亮太が叫ぶ。
「父さんは俺に会いたくなかったのかよ!」
胸に、どうしようもない時間の流れに響く言葉に私は項垂れる。
「……会いたかった……」
「俺だって会いたかったよ!だから画家になったんだ!父さんに近づくために画家になったんだ!」
「……すまない……」
謝るしか出来なかった。
私は亮太に頭を下げようとした。
瞬間に亮太に再び叫ばれる。
「頭、下げんな!」
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