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リビングで手軽そうなものを取って春也のところに戻る。
「ごめん!行こう」
「おい、それ中学の時の靴」
慌てすぎて、中学時代のボロボロの白靴を履こうとしていた。
「革靴かぁ。面倒なんだよなあ」
思わず本音を漏らす。
「いいじゃん、かっこいいぜ!おばさん行ってきまーす」
それだけ言って春也はドアノブに手をかけて出て言った。
「夏也、春也くんはあんなにイケメンなのにあんたはどうして身長も伸びないのかしらね。」
お母さんの悩み事が俺に突き刺さる。
「遺伝子だろ!行ってます!」
そう叫んで春也の後を追う。
たしかに春也はイケメンだし身長だって高いけど…。
春也と夏也って名前が似てるから夏也くん背が伸びたね~とか間違って言われて嬉しかったりもしたんだよな。
くそ、なんでおれは…。
「今年も桜の木の所で集合だよな?」
春也の言葉で悩みが一旦停止する。
「うん。もう散ってるけどなぁ桜」
俺たちは2人で高校まで行くわけじゃなくて、幼馴染4人で行っている。それは小学校時代から変わっていない。
「あ、まだ秋那たち来てないね。」
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