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別れと出会い
「夏也ー!春也くん来たわよ!」
「起きてるって!」
内心焦りながら支度をする。
高野夏也、今日から高校生になる。
高校生になるっていってもきっと何も変わらないんだろう。
毎朝親友が迎えに来て幼馴染と合流。
そう思っていた。
慣れないネクタイを締めて、階段を駆け下りる。
「おせーよー。初日から遅刻したらどうするんだよ」
そう言って親友の田辺春也が笑う。
「ごめん。冬子たち待ってるかな」
「そんなことより朝メシもまだだろ。俺玄関で待ってるからパンでも取ってこい」
遅刻魔の俺に慣れた態度でそう言う。さすが何十年もの付き合いだ。
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