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おつやも、おそうしきも終わった。
お父さんもお母さんも、泣き疲れてぐったりとしていた。
でも、それでもまだ、いそがしそうで。
僕もすっごく悲しかったけど……お父さんもお母さんも困らせてはいけないと思った。
「ねぇ、僕……お風呂、一人で入る」
「えっ?」
お母さんは真っ赤な目を丸くした。
「一人で……入れるの?」
「うん! 今日からはずっと、一人で入る」
すると、お母さんは僕をまっすぐに見つめた。
「ねぇ、正人。無理しなくて……いいのよ。寂しかったら、すぐに言って……」
「大丈夫! だって、僕……じいじのまごだもん!」
すると、お母さんは真っ赤な目を細めた。
「そっか……そうよね。ずっと、じいじが見ててくれるもんね」
そう……会えないけれど、ずっと見ててくれる。
だから、僕は一人で何でもできるようになるんだ。
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