幸せの狭い風呂

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「んっは~」  思わず声が漏れる。  おっさん臭いと思いつつやめられない。  一日の終わりの、至福のひととき。  いつも湯船につかるときの癖で、閉じてしまう目を開ける。  すぐ目の前に風呂場の壁。  今度はため息が出る。  俺は風呂に入るのが大好きだ。  毎日のこのひとときは何物にも代えがたい。  だけど、一つだけ問題がある。 「もっと広い風呂に入りたいな……」  足が伸ばせない湯船の中で呟く。
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