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「んー、いつ食べても美織ちゃんが作るナポリタンはおいしいね」
おじさんは笑顔でおいしそうに食べながらそう言った。
「そう言ってくれて助かります、斎藤さんはうちの店が始まってからの常連さんですからね」
美織はほかのお客さんが使った食器を片付けて、再びキッチンに戻った。
このおじさんは、お店が始まって1週間後からの常連客であり、週に4日ほどこの店に通っている。おじさんは、ナポリタンとサラダを食べ終えて、フォークをさらに置いた。
「ごちそうさま、そういえばまだ店の名前は決まってないのかい?」
そう聞くと、美織は皿洗いをしながら少し顔を伏せた。
「まぁまぁ、そんな気を落とさなくていいよ。誰にだって名前を決めるのに時間がかかるものさ。僕も娘の名前を決めるときだいぶ悩んだからね」
おじさんは席を立ち「じゃあ、これからも頑張ってね」とお代をカウンターの上に置いて店を出た。
「店の名前・・・、いったいどんな名前を付ければいいんだろう」
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