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いつかを夢見て心に描いた未来のキャンパス
デスクでキーボードを叩く音が寂しく聞こえる。
孤独に僕の心の音色を形作らせていく。
今日も僕は夢を目指して執筆している。いつか終着先の大切な宝箱を手にするために。
僕は、小説家を目指している。
はじめたのはいつからかなんて、忘れたことない。僕の大切な思い出だからだ。僕の夢のはじまりは、僕一人で描いたものではなかった。
少しずつ仲良くなった人と、未来の形を語り合ったときだった。
僕らが描いたのは、壮大で素朴な夢だった。
いつか一緒にゲームを作ろう。その言葉が、僕の胸に突き刺さった時を、今も忘れない。痛くなかった。衝撃だった。
ああ、そうなりたいな。
そう思えたんだ。
僕は夢に希望を抱いた。そうなりたいと思った。僕らならきっと今と変わらない笑顔で笑っていられると思ったんだ。
だけど。
あのとき僕らで完成させた夢というキャンバスを、心の白い壁に飾っているのは、僕だけになってしまったようだ。
気づいたときには、友達は誰もキャンバスを見ていなかった。同じ絵を見て、目を輝かせていたはずなのに、僕の隣には誰もいなかったんだ。
描いた夢がぽつんと僕の心に残る。
寂しいな。
苦しいな。
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