雪割草

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雪割草

 久しぶりに入った父さんのアトリエ代わりの小さな部屋の中は、独特の絵の具の匂いが立ちこめていた。  床に散らばった何枚ものスケッチ。  イーゼルにかけられたキャンバスには、あと少しで完成を迎える北海道の自然が描かれている。  一面の銀世界の絵。  それは、冬の絵なのに、何故かとても暖かな風景だった。
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