7人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレ達、みんな兄弟みたいなもんだから」
光基がそう言った時、やけに羨ましかった。
僕は永遠に言うことはないだろうその言葉を、何のてらいもなく発する光基が羨ましかった。
でも、その次の言葉は、そんな僕の気持ちをひっくり返すのに充分値する言葉だった。
「晋、お前ももう、オレ達の兄弟だからな」
そう言って雪の中で笑った光基の顔を、僕は一生忘れないと思った。
それ以来、雪が好きになった。
雪の中で肩を並べて歩くのが好きになった。
初めて、雪を冷たいと思わなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!