雪割草

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「ほら、オレ達、今度六年生になるだろ。ずっと言ってたんだ。六年生になったら本州へ殴り込みかけるぞって」 「……は?」 「バカかお前は。そんな言いかたしたって晋に解るわけないだろ」  ゴンっと派手な音をたてて和志の頭を小突き、晴紀が申し訳なさそうに僕のほうに顔を向けた。 「今年の夏の全国大会、絶対行こうって決めてんだ。オレ達」 「全国大会?」 「そう。七月の終わりから八月にかけて読売サッカーグランドで行われる全国少年サッカー大会。北海道代表の切符はオレ達で勝ち取ろうって」 「…………」 「オレ達、一度も北海道から出たことない奴、多いし。きっと全国には凄い奴がたくさんいるんだろうなあって、楽しみにしてんだ」 「へえ……」 「今年は狙えそうなんだよ」 「なんたって、去年めちゃくちゃ強かった室蘭大谷のゴールキーパー、卒業したしな」 「今年はオレ達の年になるぞって」 「なー」
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