雪割草

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――――――雪は、見ている分には綺麗だけど、実際その中で生活するのは大変だ。  一般的に校庭のグラウンドを使用して活動するサッカー部や野球部は、冬の最中、雪が多い日はよく体育館の片隅を借りて基礎訓練やボール磨きを行っていた。  しかも、ようやく雪が止んで外にでられるようになっても、まずしなければならないのは雪かき。ちゃんとした練習が出来るのはそれからだ。 「あーあ。さっさと雪止まねえかな」  ストレッチをしながら和志(かずし)がそうぼやくと、その隣で晴紀(はるき)が同意するように頷くのが見えた。でも晴紀は、その後、困ったように首を振る。 「今日いっぱいは降り続くって、さっき天気予報で言ってたよ」 「ホントかよ、晴紀」 「ああ、ホント、ホント。それにこの感じじゃ、明日は止んでも雪かきだけで一日終わりそうだね」 「それじゃあ練習出来ねえじゃねえかー」  晴紀の言葉に悔しそうに舌打ちをして、和志はそばにあったサッカーボールを手でポンッと転がす。  彼等は、この学校の、ぎりぎり11人しかいないサッカー部員のメンバーだ。
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