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嫌な悪循環だった。忘れようと無理に楽しいことを考え、その記憶に君がうつり、君のことを思い出して、そうして自分が誰かの代わりであることを思い出す。
波に揺られ、次第に深く潜っていき、気持ち悪くなる。
息ができない。苦しい。
誰かの代わりになんてなりきれるわけがない。自分は自分だし自分が1番でありたい。自分と誰かを重ねてなんてほしくない。
みて。
こっちだけをみて。
なんで向こうをみるの。
なんでこっちをみてくれない。
狡い、でしょう。
苦しい。つらい。
「こころなんて」
言う。
「こころなんて、いらない」
むせびながら言う。
「こんなに苦しくてこんなにつらいなら、アイツを愛するような、1番でいたいと思うようなこころなんていらないッ」
だから。
「だから、」
たすけて。
君を嫌いにはなれないから。
Fin.
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