バス停

15/16
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
あれから二十年くらいか…… 弟妹達はそれぞれ家庭を持ち、現在は会社の重役や各部門長となった。 新しく社員も雇い、私を頂点に弟妹達が各部署の責任者となり、社員の働きぶりをみる組織となっている。 なんとなくだが、アクマが先代に命じたのは繁殖ではなかったかと、推測している。 おかげで私の命じられた事が、スムーズに進んでいるのだ。 私が命じられた事、それは繁栄。 多くの弟妹が手伝ってくれているので、それは順調にすすんでいる。おそらくこの為に、先代は多くの子供を成したのだろう。 今日、特別出張を見送った人事課長も私の弟の一人で、そしてバスの運転手は、以前特別出張で洞穴にいって辞めた者の一人だ。 特別出張経験者は、皆何かの職に就き、それぞれ社外から、会社を繁栄させるためにサポートしてくれている。 今日の特別出張の者も、洞穴に入り、壁に触り、何かしらを命じられ、まるで別人になったように、というか、たぶん別人になってだろうが、そして世に出て、会社を外からサポートしてくれるだろう。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!