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猫を飼う。それは宮倉翔太郎の念願の夢だった。
冴えないサラリーマンの一人暮らしには、毎日のように寂しさが込み上げていた。帰ってきても誰もいない。
ただいまという声も一切聞こえない。あるのは部屋とあちこち転がっている荷物だけ。
子供の頃は良かったと昔の事を思い出しながら、しみじみと思いふけっていた。
そんな中、彼が出会ったのが三毛猫のロミオだった。
三毛猫と言えば、その名の通り三色の毛であんな猫もいるのだと思った。
多分、それから猫が好きになったんだと思う。子供心に凄いなと。
しかし、名前をどうするかは悩んだ。
親になるというのはこんな気持ちになるんだなと、深々と感じる。
まあ、彼女いない歴イコール年齢の俺にとっては暫く縁のない話だが、これが非常に難しい。
決めた名前がロミオだった。
三毛猫の大半が雌で数が少ない雄ではないのにも関わらず、名前の由来は勿論あのシェイクスピアのロミオとジュリエットからだった。
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