笑顔

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 彼女は、とても美しい(ひと)だった。  黒い大きな瞳は、どんなときでも僕をまっすぐ見つめていた。  肩にかかる髪の毛はカラスのように黒く、一切クセがなかった。  幼い頃からひどいクセ毛の僕は、本当にうらやましかった。  それを話すと彼女は、「私はフワフワしてる髪の毛、あこがれるな」と笑顔で言った。  僕はそこから、自分のコンプレックスに自信を持てるようになったのだ。
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