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蘭ちゃんはいつもご機嫌斜めだった。ワンワン吠えて、僕の手を噛み、脚を噛み。おてんば蘭ちゃんは餌の時だけ甘えてくる。でも餌ばちにドッグフード入れようとすると手を噛む。蘭ちゃんの気持ちが解らなかった。
蘭ちゃんは孤独だったのだろうか。家族は蘭ちゃんのことを家族だと思っていた。
ある日、僕は蘭ちゃんの夢を見た。
夢の中で蘭ちゃんは僕の脚にスリスリしてきた。どういう気の回しだろう?
僕は地面に胡座をかくと蘭ちゃんは僕の足の上でお座りをする。
蘭ちゃんのうなじをマッサージしてあげると、気持ち良さそうに目を閉じる。
『ツンデレでごめんね』
蘭ちゃんが亡くなってからだけど、初めて心が通じ合った。
――数ヶ月後、二代目の番犬、華ちゃんが家にやって来た。
華ちゃんもツンデレだ。蘭ちゃんを思い出す。
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