2人が本棚に入れています
本棚に追加
けれど私は、彼が撮った私の写真がとても良かったからなのか、
彼がなかなかのイケメンだったからなのかは分からないけれど、
なぜか、ちっとも嫌な感じはしなかった。
むしろ、自分でも驚くほど美人な自分の写真を見て感動したくらい。
あの時は、どきどきしすぎてロクな用事もなかったはずなのに、
「急いでいるから」
なんて嘘をついてすぐにその場を去ってしまった。
でもその後、なんで私を撮ろうと思ったのかなとか、
どこかの有名な写真家なのかな
名前聞いておけばよかったなとか、
いろんなことが浮かんできて、
あせってそそくさと去ってしまったあの時の自分を責めたいとずっと思っていた。
過ぎたことはしょうがない、
そうケリをつけかけていたところに、
偶然の再会を、思わぬ場所で果たしてしまったというわけだ。
麻婆カレーなんて女子力のないメニュー、頼むんじゃなかった。
最初のコメントを投稿しよう!