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とても、きらきらと、していた。
「この写真、とても綺麗…私なのに、私じゃないみたい。」
その言葉は僕にとって、とても嬉しい言葉だった。
この1枚を「自分の作品」にできた。
その1枚に写る彼女を「自分のもの」にできた。
それは、彼女だったから…なのだろうか。
「その写真、悪用…とかしなければ、そのまま君に持っていてほしいです。とても素敵だから、消すのは勿体無いんじゃないかって、思ったので。」
彼女はそう言って僕にカメラを返すと、慌てた様子で
「じ、じゃあ…私急いでいるので。」
と、駅の方へ走っていった。
そんな彼女の後ろ姿を、僕はただ、見つめることしか出来なかった。
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