第一章

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 タカギ班には俺を含めて五人の隊員が居る。まずは班長の高木大六。奥のデスクに足乗せて、ボケっとした顔で暇そうにしてるおっさんだ。実際、任務が入らない時の俺たちは常に暇を持て余している。待機要員だから仕方がない。  だが一たび任務が入ると、おっさんは有能な指揮官に豹変する。詳しくは知らないが、防衛隊のトップとあれこれあって、今の地位に「落ち」着いたらしい。歳は知らないが四十代後半くらいか。まあ、部下の面倒見も良いので俺たちは基本、班長を信頼している。  俺の前に座って端末を叩いている、頬のこけた男は村野数学センパイ、二十八歳。数学と書いてカズタカと読むらしい。訳がわからんが本人も相当ぶっ飛んでいる。自他共に認めるハッカー気質で、班長とは別の意味でタカギ班に落ち着いたらしい。  その隣で堂々と居眠りしているのは平野アキちゃん二十…歳。何もツールが無くてもあらゆる故障を直せる、眼鏡っ娘万能メカニックにしてみんなのアイドル。何故ツールが無くても大丈夫かって?彼女自身が過去に大怪我を負って、今や全身の70パーセントがメカだからだ。脳の方は人間のままだから、こうして眠くなるらしい。  悲惨な話だが、彼女自身は手術から目が醒めるなり、憧れの機械の体を手に入れたと大ハシャギして、周囲をドン引きさせたらしい。     
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