第一章

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
 一人足りないって?良いよ放っておいてもあんな筋肉バカ。どうせまたジムで鍛えているに違いない。え?仕方ないな。そいつの名前は岩田徹也、通称ガンテツ。俺と同い年で、仕事も同じ支援ライドメカの操縦士だ。ついでに言うと高校から防衛隊の養成所までずーっと同窓だ。と言うことは…まあ良い、そのうち説明することになるだろう。  濃いメンツだと思うかい?いやいや、タカギ班なんて、他の班と比べりゃ大したことはない。何しろ大規模戦闘の招集が掛かれば数百人単位の戦闘要員が集められる。俺達はたまたま、いくつかある後方支援チームの一つとして、タカギ班長の元に少人数でユニットを組まされているだけで、階級も他部署とそう変わらない。  ただ、一つ言えるとしたら、俺達のような後方支援チームからは、本隊のエリートチームに抜擢されるチャンスが比較的高いと言うことくらいかな。そうは言っても、宝くじで一等に当たるよりも低い可能性でしかないが。  そうそう、ジムの話をしたついでに、もし君も防衛隊に志願したいなら覚えておいて欲しい。ウチの職場は、少々命に危険が及ぶ事を除けば超絶ホワイトだ。出動が無ければ勤務時間はキッチリ定時だし、福利厚生の充実はもちろん、基地内にはジムもプールも温泉浴場だってある。食事もうまいぞ。環境だってバッチリだ。この部屋はさっきも言った通り、地下十五階にあるが、太陽光をファイバーで取り込んでいたりして実に明るい。     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!