第二章

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第二章

 しまった…。  今日は気温が上がるって予報をてっきり忘れてた。もうちょい任務の内容を、良く聞いておくんだった。土壌のサンプル採取、その原因は未知のウィルス検出、だったよな。  当然、全身気密服着用って話になるわなそりゃ。外から見りゃわからないだろうが、俺は作業開始三十分もしないうちに、もう汗だくになっていた。一応、背中に背負った簡易エアコンでスーツ内部の温度はコントロールされている。が、設定温度を最低にしても、内部は28度が限界だ。  しかも、バックパック自体の廃熱パネルが背負っている人間の背中を直撃するから暑くて仕方がない。誰だこんな設計しやがった奴は。  「あれー?サーモグラフで見るとボンタ君全身真っ赤っかだよ。汗かきまくりじゃない?」アキ隊員が嬉しそうに言う。そりゃあんたはサイボーグだから暑さも寒さも関係ねーだろよ。「おいそこー、ダラダラ喋ってないで体動かせー。昼飯までに終わんねーぞー。」すかさず班長の叱責が飛ぶ。  ヘトヘトになりながらも三時間ぶっ続けで作業した結果、ようやく規定量のサンプルを採取し終わって、いざ撤収というその時である。     
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